「人生100年時代」の人と地域をつなぐ まちづくりプランナー 石塚計画デザイン事務所 顧問石塚雅明さん|<公式>人生100年を考えようLAB|野村不動産・関電不動産開発

人生100年を考えようLAB

100LABORATORY
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日吉エリアの“まちづくり”には、大きな可能性を感じるという石塚さん。人生が長くなっていくこれからの時代、街や人との関わりがどのようになるとよいか、これまでのご経験を通して語っていただきました。

ネットワークの広がりや
大学との連携など、
ポテンシャルのある日吉エリア

ネットワークの広がりや大学との連携など、ポテンシャルのある日吉エリア

エリアマネジメントにおいては、何がテーマになるかを探すことも大事です。
例えば、地域に昔ブラスバンドをしていたという人がいて、新しく住民になった人々の中に子どもたちに音楽を教えたいと思っている人がいれば、音楽というキーワードが見えてきます。

あるいは、歴史や自然、子育て、防災に関わることがキーワードになるかもしれません。オープンワークショップなどで共通のテーマや課題を見出し、それをイベントでもいいですし、継続的な活動でも目に見える取り組みにしていくと弾みになります。

日吉エリアでは、地域のみなさんが、歴史だとか、地元のお祭りといった行事をとても大切にしていらっしゃる。また、子育てや地域情報の発信など、いろいろな分野で活動をされている方がいて、そのネットワークが生まれているというベースもあります。
もうひとつは、慶應義塾大学のキャンパスがあり、学生が行き来している場所だということ。大学は今、世界的に通用する先端的な研究をするという役割に加えて、学んだことを地域課題の解決に役立てることができる人材を育成するという面でも期待されています。地域に愛着を持つ方が多く、大学ともさまざまな連携を取りうる日吉エリアには、“まちづくり”への大きなポテンシャルがあると感じています。

石塚雅明石塚雅明

空気のような
自然な距離感で、
人と付き合える街がいい

空気のような自然な距離感で、人と付き合える街がいい

私自身、人生100年でいうと、ちょうど3分の2に差し掛かったところで、これからこれだけの可能性があるという若い頃のようなクレッシェンドの時代ではなく、年齢を重ねることに自分を寄り添わせていく時期です。そういうときに、哲学的な思考がちゃんとできる環境が身のまわりにあるというのも大切だと思います。

同じ遊歩道でも、木々の種類や景色に変化があって自分と対話ができるような散策路だとか、物事を深く考えたいときに必要な情報を得られる場所だとか。目の前にあるものの価値を知る力なり、感覚なりを自分の中に持てるということと、それをサポートしてくれる街というのが、長くなった人生においては大事になってくるのではないでしょうか。

人との関係性も、深呼吸をすれば新鮮な空気が入ってくるように、自分が求めるときに関係が自覚できるような、自然な距離感が保てるといい。風景の中で子どもたちが遊んでいる姿を見ることができ、ときにはその子どもがこちらに寄ってきてくれる。公園やパブリックスペースとはそういう場所です。

多世代が暮らすエリアの良さとして、世代を超えた気楽な対話の場もあるといいですね。早い時期からいろんな競争をくぐり抜け、「残り80年もどうやって社会に向き合っていけばいいだろう」と疲れぎみの今の若い人たちに、「まあ、何とかなるさ」という、人生の大先輩の一言が励みになるかもしれません。

石塚雅明石塚雅明
100LAB note
  • ・エリアの人々に共通のテーマや
    課題をワークショップなどを通して見出し、
    目に見えるかたちの取り組みにつなげていく。
  • ・年齢による心身の変化を受け止めて、
    サポートしていく街のありかたを考える。
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石塚 雅明(いしづか・まさあき)

石塚 雅明(いしづか・まさあき)
まちづくりプランナー
石塚計画デザイン事務所 顧問

1952年札幌生まれ。北海道大学大学院終了後、柳田石塚建築計画事務所主宰。その後、石塚計画デザイン事務所に社名変更し、代表取締役を経て顧問。札幌駅前通まちづくり株式会社取締役。まちづくりプランナーとして北海道、東京を中心に活躍。総務省地域力創造アドバイザー、北海道地域づくりアドバイザーなど。主な著書に『参加の「場」をデザインする』、『まちづくり学 —アイディアから実現までのプロセス—』共著など。