日吉の森庭園美術館|<公式>人生100年を考えようLAB|野村不動産・関電不動産開発

人生100年を考えようLAB

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街に残していきたい「里」の風景

そこだけ別世界のような、緑したたる森に囲まれた古民家で迎えてくださったのは、館長の田邊美紗代さんと学芸員の田邊陵光さん。森も建物も、この地で400年続く旧家の田邊家の家屋敷。7年前に公益法人化し、2014年に美術館として公開したそうです。

祖父の泰孝が亡くなった後、ここを一個人の家として終わらせたくないと思ったのです。私自身、子どもの頃はあまり関心がなかったのですが、大人になってこの景色を見ると郷愁を覚えるようになり、こうして残していくことで、地域の人が訪れて懐かしいと感じてもらえたら…

と、十四代当主でもある陵光さん。

築160年の庄屋造りの家のまわりには、樹齢100年を超える金木犀の大木や野生のシラカシをはじめ、数が減りつつある関東タンポポなど、多種多様な自生の草花が生い茂っています。開館日には味わいのある「里」の風景を求めて、遠方から足を運ぶ人も多く、俳句の句会や講座なども開かれているとのこと。

春は山菜、秋には柿やキノコ…。四季折々の自然の恵みとともにあった「里」の暮らし。日吉の街の中で、そんな風景や文化を守り伝えている方がいらっしゃると聞いて、新緑まぶしい住宅街の一角を訪ねました。
庄屋造りの田邊泰孝記念館 四季の風情を感じる日本庭園

花や実のある緑道を、
みんなの“応接間”に

広い園内は草花の宝庫 清々しい森の空気に包まれて

館の運営のほかに、美紗代さんが力を入れているのが、近くにある松の川緑道の保全活動。「みんなで憩える“街の応接間”にしたい」と、自生の植物を大切にしながら、1983年から活動を続けているそうです。

緑道では『これ、何ていう花なんでしょうね』と、知らない人同士でも、いいときを過ごすことかできるんです。景色を眺めながら歩いているうちに、いつのまにか日吉の駅に行っちゃったり、家に帰っちゃったり(笑)

と、美紗代さん。

ビワや桑の実など食べられる植物もあり、若いお母さんに教えてあげると、お子さんが自分で摘んでみたりと、親子のコミュニケーションの場にもなっているとか。

陵光さんは、そうした活動を継続していくためにも、大人がもっと外に出て楽しんでほしいと言います。

私より少し下の世代の、30代、40代の人にも興味を持ってもらえるといいですね。仕事やプライベートを大事にしながらも、ちょっと昔に戻ってみるというか

美術館や松の川緑道では、陵光さんのお父様で著名な現代彫刻家の故・田辺光彰氏の作品も見ることができます。光彰氏が長年、制作のモチーフにしていたのは稲の原種でもある野生稲。さまざまな米の品種に変わりうる強さを備えた野生稲の彫刻が、地域のハブとして、次世代につなぐ活動を続けられているお二人の姿に重なりました。

散策路には田辺光彰氏の作品も展示

100LAB note

  • ・身近な街の緑地を、
    人々の憩いやふれあいの場に。
  • ・30代、40代が地域に関心を持つことで、
    次の世代に活動が受け継がれていく。

野草への造詣が深く、樹木医や環境再生医の資格も持つ館長の田邊美紗代さん。公益財団法人日吉の森文化財団理事長、松の川遊歩道(緑道)の会会長も務められています。学芸員の陵光さんは田辺光彰・美紗代夫妻のご長男。

アートと出合いに、緑の森へ 日吉の森庭園美術館

散策路もある「日吉の森庭園」、横浜市認定歴史的建造物の「田邊泰孝記念館」、彫刻家・田辺光彰氏の作品と収集物を展示する「田辺光彰美術館」で構成された、環境と一体となったエコミュージアム。

Address:
横浜市港北区下田町3-10-34
TEL:
045-561-3214
開館時間:
11-3月 10:00~15:00
4-10月 10:00~16:00 不定休
料金:
大人400円/学生200円
(6-9月 大人300円/学生100円)
未就学児無料
http://hiyoshinomori.com