「人生100年時代」の人と街の成長をサポートする 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授 神武直彦さん -前篇-|<公式>人生100年を考えようLAB|野村不動産・関電不動産開発

人生100年を考えようLAB

100LABORATORY
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宇宙開発で培ったシステムデザインやマネジメントの視点から、地域の課題解決に向けた数々のプロジェクトに取り組まれている神武直彦さん。「吉日楽校(きちじつがっこう)」の青空教室も手がけられる神武さんに、街づくりへの想いやプログラムの目的などについて伺いました。

“木と森”を同時に見る
システムデザイン思考

“木と森”を同時に見るシステムデザイン思考

もともとはロケットなどの研究開発に携わっていて、そこで培ったシステムデザインやマネジメントの知識とスキルを活かし、東南アジアの国々から身近な地域までさまざまな課題に取り組んでいます。

「木を見て森を見ず」ということわざがありますが、システムデザインにおいては「木を見て森を見る」。つまり、物事を緻密に見るのと、俯瞰的に見るというのが大事な考え方です。
ロケットや宇宙ステーションを設計するときには、非常に大規模なものなので、まず全体を把握する必要があります。一方ではネジの1個1個までちゃんと見ていかないといけない。
街づくりも同じで、街というのは道や公園など、いろいろな要素が組み合わさって成り立っています。全体をよくするためには、それらが正しく必要とされている形になっていることが大切で、すごくいい公園がひとつあれば街がよくなるとは限りません。個別の技術とか、個別の取り組みに力を入れるだけでなく、システムとしてのつながりもデザインしていく。

その街はどういう人たちで構成されていて、将来どうなっていてほしいのか、対話をしたり、観察をしたりして明らかにしていき、関係する方々と共有しながら、そうありたい5年後、10年後をどのように実現していくかを一緒に考えています。そのための手段のひとつとして、僕たちの強みであるテクノロジーも活かしていきたいですね。

人が成長して、
街も成長していく

人が成長して、街も成長していく

「吉日楽校」では、街ができる前に開かれた場所として、人も街も成長する場が実現できたらいいなと、楽校に関わるみなさんと話し合ってプログラムをスタートしました。
ここに来ると自分が持つ力をよりわかりやすく知ることができ、気づきや学びにつなげられる。人が自分の成長を客観的に把握することは、頑張る動機になりますし、コミュニケーションのきっかけにもなります。

子どもたちには遊びを身体的、知的にデザインし、スポーツの楽しさを体験できるプログラムを提供していきたいと思っています。
運動をすることでスポーツ能力が向上することもあれば、人を思いやる気持ちやリーダーシップが養われることも大いにあります。
GPSや日本の準天頂衛星「みちびき」などの測位衛星、スマートフォンアプリなどのテクノロジーも使って、スポーツデータを収集し、フィードバックすることでフォームを改善するなど成長が実感できるようにしたいですね。

子どもたちがスポーツによっていろいろ経験している隣では、お父さんやお母さんたちが今まで経験されたことがなかった山や川でのキャンピング能力などを身につけられるといい。
地域の方々や野村不動産と協力し合いながら、子どもにとっても大人にとっても成長できる場をつくり、この街の成長につなげていきたいと思います。

100LAB note
  • ・街づくりにおいては、
    個々の取り組みと全体の両方を見ながら、システムと
    してのつながりをデザインしていくことが大事。
  • ・人が成長できる場を持つことは、
    街の成長にもつながる。
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神武直彦(こうたけ・なおひこ)

神武 直彦(こうたけ・なおひこ)
慶應義塾大学大学院
システムデザイン・マネジメント研究科教授

1973年生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科修了後、宇宙開発事業団(NASDA)に入社。 H-ⅡAロケットの研究開発と打ち上げに従事。欧州宇宙機関(ESA)を経て、宇宙航空開発研究機構(JAXA)主任開発員。宇宙機搭載ソフトウェアの独立検証・有効性確認の統括やアメリカ航空宇宙局(NASA)、ESAとの国際連携に従事。2009年度より慶應義塾大学にて社会技術システムのデザインやマネジメントの教育研究に従事。日本スポーツ振興センターハイパフォーマンス戦略部アドバイザーなどを歴任。「社会課題解決型宇宙人材育成プログラム」のデザインで、グッドデザイン賞2017を受賞。2018年6月より横浜市および富士通株式会社と共に「スポーツデータみらいデザインラボプロジェクト」を始動。アジア工科大学院院招聘教授。博士(政策・メディア)。