「人生100年時代」のコミュニティのつくりかた -後篇-|<公式>人生100年を考えようLAB|野村不動産・関電不動産開発

人生100年を考えようLAB

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コミュニティの可能性を、ベースとなる仕組みの設計からひろげている広瀬さん。多くの街づくりに関わる中で得た、自然に人と人の接点を増やしていくヒントとは?

街の外の人も巻き込んで、
このコミュニティだから
できるアイデアを

街の外の人も巻き込んで、このコミュニティだからできるアイデアを

街に新しいことを起こしていくためには、街の住民やまわりの人々とのつながりをコーディネートする、ハブになる人の存在も大切ですね。

その人を媒介役に、関心のある人が集まりながら、いろんな“作戦”を立てていく。お祭り的なイベントとはちょっと違って、毎日何かが起きていて、毎日誰かと誰かが接点を持てるようなプランをつくり出していくと、街はもっと面白くなるのではないでしょうか。

企業や団体とつながって、何かのプロジェクトを協働で始めたり、健康やスポーツなど、身近なテーマを研究している大学の先生を招いて学んだり。実際にその研究の内容を住民が試して、データ化してみたりするのも楽しいかもしれませんね。住民同士でも、例えばソムリエの資格を持っている人がいたら、一緒に食事をしながらの講座とか、このコミュニティだからできるというアイデアを出し合ってみてはいかがでしょう。

まずは、ハブになる人がコーディネーションして、そういった場づくりや出来事を「見える化」していくと、自分からやってみようという人が増えてくるのではないかと思います。

広瀬郁広瀬郁

集会場より
カフェのほうが話しやすい。
自然体で集まれることが大事

集会場よりカフェのほうが話しやすい。自然体で集まれることが大事

大事なのは、好きなことで集まったり、興味のあることで集まったりと、それぞれの住民が自然体で参加できることです。

そのためには拠点となる空間も大切で、何もない集会室よりは、ちゃんとしたコーヒーが出るカフェのほうが自然に足が向くし、話もしやすいですよね。そこにグリーンのお店などがあれば、花や植物の好きなメンバーが街の緑の手入れなどをして、挨拶をする顔見知りが増えていくということもあるでしょう。

シビックプライド(街への愛着や誇り)って、文字で勉強するものではないんです。上の世代が自由度を持っていろんなことをやっていると、下の世代も「自分の街って、意外といいところなんだな」と思えるようになる。大人が和気あいあいと何かをしている姿を見て、子どもたちも学校や家以外の場に「一歩踏み出してみよう」みたいな。

いいコミュニティとはこういうものと教えるより、大人たちが楽しそうに口笛吹いて闊歩しているほうがいい(笑)。そうすれば、高校生が口笛吹いて歩いていてもいいんですよ。“遊び”がわかる大人が多いほうが、街は魅力的になるのではないでしょうか。

広瀬郁広瀬郁
100LAB note
  • ・場づくりを「見える化」していくことで、自分からやってみたいという人が増えていく。
  • ・自然に足が向き、話がしたくなる拠点づくりを。
  • ・上の世代がつながりを楽しみながら活動することで、次世代のシビックプライドが育まれていく。
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広瀬 郁(ひろせ・いく)

広瀬 郁(ひろせ・いく)
株式会社トーン&マター代表
NPOピープルデザイン研究所理事
プロジェクトデザイナー

1973年東京生まれ。建築学を専攻後、外資系経営コンサルティングファーム、不動産企画開発会社に勤務。ホテル「CLASKA」では総合プロデュースを担当。独立後は、事業計画とクリエイティブの融合を目指し、施設・まちづくり・都市計画を中心に、プロジェクト自体をデザインする企画業務に参画。企業・行政などの「組織」と才能ある「クリエイター」のコラボレーションを生むチームを組成し、多岐にわたる新奇性の高いプロジェクトを推進中。著書に『建築プロデュース学入門』『ブリッジング―創造的チームの仕事術』(日経BP)がある。