キャンパスから見た「人生100年時代」の街づくり -後篇-|<公式>人生100年を考えようLAB|野村不動産・関電不動産開発

人生100年を考えようLAB

100LABORATORY
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他国に先駆けて超長寿社会を迎えた日本。世界のモデルとなるためにも想定される課題に向き合い、実証していくことが大切という清水さんが語る「人生100年時代」の街づくりとは?

多様な人が住む街だからこそ
できること

多様な人が住む街だからこそできること

人生100年時代を考えたときには、暮らす街の規模というのも重視したいですね。私の専門のマーケティングでも、対象とする人数を増やすほどいろんなタイプの人が含まれていてセグメントしやすくなるのですが、世帯数の多い街であれば、住む人もより多様になり、それぞれに趣味や話の合う人を見つけやすいのではないでしょうか。マンションなら隣の棟の人と交流できる機会などをつくるのも大事だと思います。

また、スキルを持っている人がそれを活かせるようなコミュニティづくりというのも考えてみてはいかがでしょう。例えば、以前ヨガのインストラクターをしていたとか、日本舞踊の名人だったという人がいれば、サークルや同好会の講師として招いたりすることで、身近に学べる場ができ、教える側にもやりがいが生まれます。

街のあり方はそこに住む人々の意識によっても変わります。いい街づくりのためには、共有できる価値を持つことが大切で、大学などもその媒介になれるといいですね。

清水聰

世界のモデルとなる
人生100年の課題解決の街を

世界のモデルとなる人生100年の課題解決の街を

日本は今、総人口の約25%が65歳以上という超長寿社会になり、シニアマーケティングの分野から見ても世界のフロントランナーになっています。格差の激しい欧米と違い、多くの人が中流意識を持つ日本の発展のしかたは、タイやベトナムなど中産階級が増え、これから伸びようとしているアジアの国々にとってもモデルにしやすい。幸い、先進国としてさまざまな課題に対応できる技術力もあります。

街や建物のバリアフリーをどうするか、ライフステージに合わせて室内をどう変えていくかなど、人生100年を見据えた街づくりのノウハウを蓄積することで、アジアをはじめ、やがて同じように長寿社会を迎える世界の国々に対しても発信していけるのではないでしょうか。

長い人生、できれば子ども世帯とスープの冷めない距離に近居し、高齢になっても住み慣れた生活圏を離れずに、近所の仲間と「飲みに行こう」と誘い合えるような環境を保てるといい。
日吉はこのようなテーマを実践できる街で、マーケティングの視点からも興味を持っていますので、ぜひ一緒に街づくりを考えていきたいですね。

清水聰
100LAB note
  • ・住む人が多様な街は、話の合う人も見つかりやすい。
  • ・スキルを活かせるコミュニティでやりがいを。
  • ・長寿社会を見据えた街づくりは、ほかの国にとってもモデルになる。
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清水聰(しみず・あきら)

清水聰(しみず・あきら)
慶應義塾大学商学部 教授

1963年東京都生まれ。86年慶應義塾大学商学部卒、同大学大学院修士課程、博士課程。91年明治学院大学経済学部専任講師、助教授、教授を経て、09年慶應義塾大学商学部教授。04年商学博士(慶應義塾大学)、2014~15年米国ピッツバーグ大学訪問研究員。消費者に関する理論をマーケティング戦略に応用する研究から日本発のマーケティング理論構築を目指す。